要約
日本フエルト(3512)を300株から100株に減らした話です。
- 優待はQUOカード。300株で1,000円、100株で300円(1年以上保有の場合)
- 200株売っても、継続保有は切れません。会社のページに、私とまったく同じ例が載っていました
- 買った理由は高配当ではなく、いわゆる「清原銘柄」でした
- 配当性向約94%に違和感を持ったところから、売ると決めるまで
- 『自分利回り』は 5.68%。今の株価で買う人の 2.05倍
日本フエルト(3512)って、どんな会社?
紙を作る機械で使う製紙用フェルトが本業の会社です。濡れた紙から水を搾り取るベルトで、機械の中で回り続けて擦り減るので、数か月ごとに交換される消耗品です。
国内の製紙用フェルトは、日本フエルトとイチカワ(3513)の2社でほとんどを占めると言われています。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 株価 | 1,013円(2026年9月18日) |
| PER(予想) | 33.94倍 |
| PBR | 0.73倍 |
| 自己資本比率 | 79.9% |
| 時価総額 | 約186億円 |
| 配当利回り(予想) | 2.76% |
| 決算期 | 3月 |
出典:IRバンク
財務はかなり堅いです。借金は8億円だけで、自己資本比率は約8割あります。
一方で、売上は2008年3月期の138億円から、2026年3月期は94億円まで減っています。紙の需要が減ると、フェルトの需要も減るからです。
配当はこうなっています。
| 決算期 | 1株配当 |
|---|---|
| 2023年3月期 | 13円 |
| 2024年3月期 | 16円 |
| 2025年3月期 | 20円 |
| 2026年3月期 | 24円 |
| 2027年3月期(予想) | 28円 |
13円で長く据え置いていたところから、4期続けて増えています。
優待はQUOカード。200株売っても継続保有は切れない
もらえるのはオリジナルのQUOカードです。
| 保有株数 | 1年以上3年未満 | 3年以上 |
|---|---|---|
| 100〜299株 | 300円分 | 600円分 |
| 300〜999株 | 1,000円分 | 2,000円分 |
| 1,000株以上 | 2,000円分 | 2,000円分 |
出典:日本フエルト 株主還元
- 基準日は毎年3月31日の年1回。発送は6月下旬
- 100株以上の場合は1年以上の継続保有が条件です
継続保有の数え方は、3月31日と9月30日の株主名簿に、同じ株主番号で続けて載っていること。3回以上で1年以上、7回以上で3年以上になります。
そして、会社の説明にこんな例が載っていました。
300株を3年以上保有していたが200株を売却し、3月末時点では100株保有の株主さま
→600円相当のクオカード
私がやったことそのままです。 株数は3月末の時点で見るだけなので、200株売っても継続保有の年数はリセットされません。
買った理由は「清原銘柄」でした
日本フエルトは、高配当株として選んだ銘柄ではありませんでした。
きっかけはYouTubeです。ネットキャッシュ比率の高い会社、いわゆる「清原銘柄」を解説している動画を見て買いました。
ネットキャッシュ比率は、ざっくり言うと会社が持っているお金から借金を引いた額が、時価総額の何割あるかという指標です。1倍に近いほど「会社のお金だけで、会社がまるごと買えてしまう」くらい割安、という見方をします。
買い方
最初の128株は、いつ買ったかを追えません。証券会社の約定履歴が、2024年8月22日より前は残っていないからです。
そこから先はこうです。
- 2024年8月23日〜12月23日:40回に分けて172株(1株464〜496円)
- 2025年1月6日:新年のNISA枠を使うため、300株をNISAへ移し替え(1株493円)
40回の内訳を数えると、こうなりました。
| 1回あたり | 回数 |
|---|---|
| 5株 | 19回 |
| 3株 | 7回 |
| 2株 | 5回 |
| 4株 | 4回 |
| 6株 | 2回 |
| 1株・7株・10株 | 各1回 |
5株ずつが19回。 1回2,500円くらいなので、気軽に押せてしまうんですよね。
高配当とバリュー株、目的がごっちゃになっていた

売ると決めたきっかけは、配当性向でした。
今期の予想は、1株利益29.85円に対して配当28円。配当性向は約94%です。 稼いだ利益のほぼ全部を配当に回しています。
よろしくないな、と思いました。
2026年3月期は、本業で自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)が1.7億円なのに、配当と自社株買いで6.4億円を株主に返しています。現金は3年で50億円から26億円に減りました。
で、ここで気づいたわけです。
そもそも私、この株を配当目当てで買ってないよね?
清原銘柄として買ったんですよね。「割安だから、いつか見直される」。狙っていたのは値上がりのほうです。
それがいつの間にか、高配当株の目で配当性向を見て悩んでいました。
買った目的と、今見ている物差しがずれていました。
清原銘柄として見ると、もう終わっていた
買った理由のほうの物差しで測り直しました。
| 2024年3月期末 | 2026年3月期末 | |
|---|---|---|
| 流動資産 − 負債 | 約73億円 | 約54億円 |
| 時価総額 | 約91億円(株価483円で換算) | 約186億円 |
| ネットキャッシュ比率(簡易版) | 約0.8 | 約0.3 |
※簡易版です。本来の計算で足す投資有価証券を入れていません。
会社のお金は減って、時価総額は2倍になりました。割安さは、買った頃の3分の1くらいまで縮んでいます。 PERも34倍で、もう「安い」とは言いにくい水準です。
……これって、十分利益出てるやん??
買った理由は、もう達成されていました。
株価2倍は、私の手柄ではありません
株価は取得単価493円に対して、1,013円(2026年9月18日)。約2.05倍です。
ただ、これは私の目利きの結果ではありません。IRバンクの大量保有報告を見ると、株主への還元を求める投資家の名前がいくつも並んでいます。その流れで株価が見直された面が大きいと思います。
私は、清原銘柄を買って、持っていただけです。
私の7指標で判定してみる
| # | 指標 | 日本フエルトの数字 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自己資本比率(40%以上) | 79.9% | ○ |
| 2 | PBR(1倍未満) | 0.73倍 | ○ |
| 3 | 配当性向(70%以下) | 約94%(今期予想) | × |
| 4 | 累進配当 | 宣言なし | × |
| 5 | 増配トレンド | 12円→28円(予想) | ○ |
| 6 | DOE | 2.5%を目標 | ○ |
| 7 | 配当利回り(3.5%以上) | 2.76% | △ |
累進配当とDOEはかぶりたんの一覧と、会社の配当方針で確認しました(2026年9月20日時点)。
DOE2.5%を目標にしているので、利益が落ちても配当が急に削られにくい形にはなっています。
なお、この7つに総合判定はありません。選ぶときの参考であって、合格ラインではないからです。売った理由も、ここの×ではありません。買った理由が達成されたからです。
『自分利回り』は5.68%
この連載の主役、『自分利回り』です。
『自分利回り』とは、今の株価ではなく、自分が買った値段(取得単価)で計算した利回りのことです。
配当は1株28円(2027年3月期予想)で計算します。
| 今の株価1,013円で買う人 | 私(取得単価493円) | |
|---|---|---|
| 配当 | 2.76% | ★5.68% |
倍率は2.05倍。 株価が2倍になったぶん、そのまま差になっています。
| 回 | 銘柄 | 倍率 |
|---|---|---|
| ② | 三井住友FG | 4.67倍 |
| ⑤ | 日本フエルト | 2.05倍 |
| ③ | 稲畑産業 | 1.90倍 |
| ① | KPPグループHD | 1.51倍 |
| ④ | ナイス | 1.08倍 |
200株を売りました。100株は保険です

2026年9月24日、200株を1株1,013円で売りました。
| 数字 | |
|---|---|
| 売った株数 | 200株 |
| 売った値段 | 1,013円 |
| 取得単価 | 493円 |
| 売却益 | 104,000円 |
NISAの成長投資枠で持っていたので、この売却益に税金はかかりません。
残した100株はこうなります。
| 300株のとき | 100株にしたあと | |
|---|---|---|
| 優待(1年以上) | 1,000円分 | 300円分 |
| 優待(3年以上) | 2,000円分 | 600円分 |
| 配当(予想28円) | 8,400円 | 2,800円 |
100株残したのは、保険です。売ったあとに上がっても、下がっても、どちらでも納得できます。
もし100株しか持っていなかったら、売れば全部なくなるし、持てば利益は確定できない。たぶん迷っていました。 ちまちま買って株数に余裕があったから、「売る分」と「残す分」に分けられました。
売ったあとで「75.51%」を見つけました
売ったあとで、日本フエルトの配当性向75.51%という数字を見つけました。
……75.51%じゃん!! 売らなきゃよかった??
損得を数えると、手放したのは配当が年5,600円(200株×28円)と、優待の差が年700円。売却益の104,000円は、その約16年分です。
75.51%と94%は、調べ直したらどちらも正しい数字でした。見ている期が違うだけです。
| 決算期 | 1株配当 | 配当性向 | |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 20円 | 83.9% | 実績 |
| 2026年3月期 | 24円 | 75.5% | 実績(終わった期) |
| 2027年3月期 | 28円 | 約94% | 今期の予想 |
これからの配当を考えるなら、見るのは今期の予想のほうです。
並べてみると、3期続けて75%を超えています。 1株利益は約24円→約32円→約30円と横ばいなのに、配当は20円→24円→28円と上がっている。特別損失で1年だけ跳ね上がったのではなく、利益が伸びないまま配当を上げている形です。
DOE2.5%を目標にしているので、利益が落ちてもすぐには減らされにくい。ただ、ここからさらに増やす余地はほとんどありません。配当は28円前後で横ばいと見ています。
残した100株は、ここから配当株として持ちます。減配したら全部売ります。
まとめ
日本フエルト(3512)を、私の保有データと一緒に書きました。
- 優待はQUOカード。3月末の年1回、100株で300円分、300株で1,000円分(1年以上保有)
- 200株売っても継続保有は切れない。会社のページに同じ例が載っている
- 買った理由は清原銘柄。高配当株として選んだわけではなかった
- 配当性向約94%への違和感から、買った目的と物差しのずれに気づいた
- 簡易版のネットキャッシュ比率は約0.8から約0.3へ。買った理由は達成済み
- 『自分利回り』は5.68%、倍率は2.05倍
- 200株を売って100株を残した。減配したら全部売る
- 配当性向は3期続けて75%超。配当は28円前後で横ばいと見ている
この記事は「買いましょう」「売りましょう」という話ではありません。 数字はすべて執筆時点のもので、株価も配当も優待の条件も変わります。判断はご自身でお願いします。
次回も株主優待の銘柄を予定しています。最後までお付き合いいただいて、ありがとうございます😆


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